医薬部外品は化粧品よりも優れているのか?

化粧品開発

日常的に使用しているスキンケアは、医薬部外品ですか?化粧品ですか?そんな事を気にする事なく自分が好きなものを使っているという人が多いかもしれませんね。スキンケアは自分に合ったものを選べば良いので、本来の目的としてはそれで十分です。

ただ、その違いが気になる人は多いですよね。そしてその違いがわかっている人は実はそんなにいないのかなと思います。

医薬部外品と化粧品、どっちがいいのか問題について、私の視点でお話ししていきたいと思います。

  1. 医薬部外品とは
  2. 化粧品とは
  3. まとめ

1.医薬部外品とは

医薬部外品の定義は

  1. 以下の目的で使用され、人体に対する作用がおだやかなもの。                     イ.吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止ロ.あせも、ただれ等の防止            ハ.脱毛の防止、育毛又は除毛
  1. 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみ等の防除。
  2. 医薬品と同様の目的のために使用されるもので厚生労働大臣が指定するもの。

です。

医薬部外品のスキンケアを開発するためには、使用する原料一つ一つが、医薬部外品で使用できる原料の規格に合致したものしか使用することができません。どんな原料でも使用できるわけではないんです。結果的に医薬部外品は、原料が全て医薬部外品の原料規格に準じた安全なもののみで処方設計されており、有効成分も配合量の規定があり、規定以上での配合が認められていないため、一定の効果がありながらも安全というメリットがあります。ただ、その反面、医薬部外品の原料規格を取得していない新しい原料は使用することが出来ず、使用できる原料に縛りがあるため、処方設計にも限界があるという面もあります。すなわち、医薬部外品にしたために、使用感や質感を多少犠牲にしなければならない事があるという事です。化粧品だったらもっと良く出来たのに…なんて事もあったりします。また、有効成分の配合量にも縛りがあるので、効果は劇的とはならず、安定的に総合的に良いといった商品が多いのが特徴だと思います。ただ、訴求がわかりやすいというのは、魅力の一つですね。

2.化粧品とは

化粧品の定義は人体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変えるために、または、皮膚毛髪を健やかに保つために使用され、人体に対する作用がおだやかなもの。

です。

医薬部外品のように使用できる原料の縛りが厳しくなく、ヨーロッパなど、海外の最新の機能性原料や部外品ではまだ使えない有効性の高い原料なども使用する事が出来ます。もちろん化粧品の原料規格には則った原料ですので、何でもかんでもオッケーという話ではありませんのでご安心ください。化粧品は、医薬部外品のようにシワ改善や美白などの効果を明確に訴求する事は出来ませんが、原料の実力によってそれ以上の効果を発揮する事が出来ます。ビタミンC高配合の美容液とか、大人気ですが、あれは配合上限に規定のある医薬部外品では商品化する事が出来ず、化粧品だからこそ実現可能な商品でもあります。化粧品であれば、配合量に上限があるものはほぼなく、機能性の高い原料を効果的に高配合したスキンケアを商品化する事ができます。部外品では実現が難しい、劇的な効果実感も、化粧品であれば実現可能であるとと思います。

ただし、低価格の化粧品ではほぼ水のような商品が多々ありますので、そのあたりはしっかりと精査する必要があるかと思います。低価格商品であれば、医薬部外品を選ぶのが賢い選択だと思います。

3.まとめ

医薬部外品が化粧品よりも優れているのかという問題については、そうであるともいえるし、そうでないとも言えます。日本の薬機法を中心に考えると、化粧品は、実際に効果があったとしても効果効能についての訴求は認められていません。そのためどんなに優れた商品であってもどれも化粧品であれば横並びの商品のようになってしまいます。ブランド力のない化粧品でその価値を伝えるのは簡単ではありません。その結果、十分に商品の価値を伝えることが出来ず、消えていった化粧品も多々あったと思います。そう考えると、医薬部外品のほうが、商品の訴求がわかりやすく明確である為、一定レベル以上の価値は伝わりやすいと思います。ただし、商品全体を評価した場合には、医薬部外品の商品はどれも大差なく、特徴もあまりないため、化粧品のほうが、付加価値を付けた効果実感につながる商品が開発しやすく、実際にも、化粧品のほうがパンチのきいた商品が多いと感じています。私個人の見解としては、部外品の開発よりも化粧品の開発のほうが処方のアレンジがききやすく、様々な剤型のものを商品化できるので、化粧品のほうが医薬部外品よりも商品力という意味で優れていように思います。

タイトルとURLをコピーしました